【若葉の峠】
峠から峠に移る旅路かな――いつ聞いたのか、どこで読んだのか、もうすっかり忘れてしまったが、このことばだけは今も忘れずに、時折の感慨にフト頭をかすめてゆく。
一つの峠を越えてホッと息をついたら、また次に峠が控えていて、その峠を越えると、やっぱり次にまた峠がつづいていて、だからとめどもなく峠がつづいて、果たしもない旅路である。
これもまた人生の一つの真実である。真実であるかぎり、これは誰も避けられない。避けられなければ、やはりただ懸命に歩むほかないであろう。
高い峠、低い峠、荒れた峠、のんびりした峠、さまざまの起伏の中に、さまざまの人生が織り込まれて、それで一筋のあゆみのあとがついてゆく。時には雨に降られ、風に吹かれ、難渋の重い足を引きずらねばならぬこともあろうが、また思わぬ温かい日射しに、チチと鳴く小鳥の声をなつかしむこともあろう。
それでも元気で懸命に、越えられるだけの峠を越え、歩めるだけの旅路を歩みたい。
若葉の峠に、また新しい意欲をおぼえるのである。
【新绿的山峰】
“旅途就是从一座山峰到另一座山峰的路”——完全不记得是何时听到的,或是在哪里读到过的,唯独这句话没有忘记,时常在感叹时,偶尔掠过脑海。
才刚越过一个山峰稍稍喘息时,下一个山峰已在眼前,而越过了这个山峰,下一个山峰又接踵到来,真是山峦叠嶂,永无止境,没有终点的旅途。
这就是真实的人生。既然是事实,论谁都无法逃避。既然无法逃避,也只能拼命前行了。
在高耸的山峰、低矮的山峰、荒凉的山峰、悠闲的山峰,各种起伏之中穿插着各种各样的人生,就此一心一意地留下行走的轨迹。有时会遭受风吹雨打,不得不拖着艰难的步履前行,但也会有意想不到的温暖阳光,与令人愉悦的啾啾鸟鸣。
尽管如此也希望能打起精神一鼓作气攀登能攀登的山峰,前行在能前进的旅途上。
在新绿的山峰上,感受全新的热情。