郡山市の郡山カルチャーパーク内にあるドリームランドは、幼児も楽しめる遊園地として親しまれている。若い母親がわが子の手を取り、歩幅を合わせながらゆっくりと遊具を巡る。
母親は二十年ほど前の子どものころに、両親と一緒によく遊びに来ていたという。営業が再開してから、初めて子を連れて足を運んだ。ただ、少し様子が違う。感染症の発生が確認された場合に備え、入り口で連絡先を記入した。ジェットコースターの座席は一列おきに案内された。うれしさの半面、戸惑いを覚えた。
都内の情報通信会社が子育て中の若い男女に実施したアンケートがある。子どものころ一番印象に残っている外出先を尋ねると、「テーマパーク・遊園地」という答えが最も多かった。山・川・海や総合公園・アスレチックを選んだ人の三倍ほどになる。家族で過ごした思い出は大人になっても色あせない。
郡山の施設は入園が無料で、乗り物は一回百円から。芝生の上を駆け回り、小川で水遊びができる。感染症対策が取られて安心感が増し、園内に歓声が響く。少しずつ新しい日常に慣れながら、元の娯楽を取り戻す。親子のかけがえのない宝になる。